生産技術に資格は重要?
キャリアアップや仕事に役立つといわれる資格ですが、生産技術においてはどうなのか?
現役生産技術者が解説します。
結論から言うと、業務上の重要性はあまりありません。
生産技術に資格が重要でない理由
資格業務ではない
基本的に、生産技術の業務には資格がないとできない業務はありません。
業種や業務内容によっては必要な場合もありますが※、付帯的な業務のためであることが多く、
生産技術としての業務の評価や質にかかわることは少ないです。
資格のあるなしで業務内容は変わらないと考えてよいです。
※業種によっては、工場に資格を持っている人が必要(例:エネルギー管理士)であったり、
実験や工場での作業のため必要(例:クレーン、溶接)なことがあります。
資格が評価につながりにくい
生産技術では、資格を持っていても業務の評価にはつながりにくいです。
理由は、生産技術に求められる知識やスキルに直結する資格が少ないこと、
実務経験の方が重視されやすいからです。
生産技術では、
- 製品に関する専門的な知識
- 設備、統計、等の幅広い汎用的な知識
- 論理的な問題解決能力
- 製造現場、間接部門とのコミュニケーション能力
等の知識・スキルが求められますが、総合的な能力は資格で評価しにくいです。
それぞれの例について説明すると、以下のようなイメージです。
- 製品に関する専門的な知識
→特定の専門分野や製品の知識を測る資格は少ない。学歴や経験重視
- 設備、統計、等の幅広い汎用的な知識
→知識を資格で評価可能だが、主業務になることが少ない
- 論理的な問題解決能力
- 製造現場、間接部門とのコミュニケーション能力
→資格で測れるスキルではない
経験と合わせて強みとしてアピールすることは可能ですが、
資格そのもので評価が変わることはまずありません。
資格を取るメリット
ここまでは生産技術の業務に資格が重要でない理由を説明しましたが、
もちろん資格を取るメリットもあります。
知識・スキルを客観的に証明できる
取引先との関係や転職活動など、社外に対して知識・スキルを客観的に証明できます。
社内であれば、「あの人は電気設備に詳しい」「この人は統計の知識を持っている」
という情報があるためあまり必要ありません。
一方で社外に対して知識・スキルを証明することは難しいです。
資格があれば、説明せずとも資格を取得できるだけの知識・スキルを有していることが分かります。
経験から得た知識を補完できる
業務上の経験から得られる知識は断片的であることが多いです。
対して、資格試験で出題される内容は体系的に整理されています。
資格試験の勉強を通じて、業務上の経験で抜けている知識を補完し、
体系的な知識として整理することができます。
私も、資格勉強後に社外や別分野の人と議論するときに話が通じやすくなったり、
抱えていた課題に対し、視野が広がって新たな解決策を思いついた経験があります。
未経験分野を学ぶきっかけになる
「現在は経験がないが、この分野の知識はつけておきたい」
「興味はあるが、どこから勉強していいか分からない」
といった場合、資格試験を受験することは勉強方法としておすすめです。
未経験分野を一から勉強するのは非常に大変です。
しかし、資格試験では出題範囲が明確に決められており、過去問から出題傾向が分かります。
注力する内容を示してもらえるため、よい勉強のきっかけとなります。
奨励金がもらえることがある
会社によっては、資格取得時に数千円~数万円の奨励金を支給してもらえます。
やや邪な動機かもしれませんが、モチベーションになる人も多いのではないでしょうか?
業務に関係のある資格や、興味のある分野の資格があればラッキーです。
新しい知識を得られるうえにお金までもらえます。素晴らしいですね。
私が取得した資格
現役で生産技術者をしている私が、これまでに取得した資格を紹介します。
- エネルギー管理士(熱分野)
- QC検定2級
- 応用情報技術者
- 基本情報技術者
- ITパスポート
- G検定
- 危険物取扱者(甲種・乙種4類)
主な資格を取得した所感を簡単に記載します。興味のある方はぜひご参考まで。
- エネルギー管理士(熱分野)
→鉄鋼メーカー在籍時、加熱炉の省エネを扱うことから奨励されて取得。
実務経験がある分野だったので試験勉強はそこまで苦ではありませんでした。
他業種の設備(ボイラー、プラント等)を題材にした問題もあり、視野を広げるよい機会になりました。
転職と重なって数万円の奨励金を逃したのが心残りです。
- QC検定2級
→業務上データ分析で統計知識を使用すること、転職の面接で持ってないの?と聞かれて取得。
基本的に製造業が題材になっており、製造業の人には勉強しやすくおすすめ。
多少の基礎知識があったため2級からチャレンジしたが、初心者は3級からがおすすめ。
製造業でなく、統計を基礎から勉強したい人は統計検定を検討してもよいかも。
- 応用情報技術者
- 基本情報技術者
- ITパスポート
→今後必要な知識だと思ったことと、会社の奨励金がUPしたため取得。
ITパスポートを受けてみて、上位もいけそうだったので勢いで取得できた。
IT知識ばかりというわけではでなく、ビジネス分野の配分も意外と大きいため、
ITに抵抗のある人も一度勉強してみると面白いと思います。
業務上はさほど役に立ってはいませんが、IT部門の人の会話が少しだけ理解しやすくなりました。
- G検定
→名前が分かりにくいですが、AIやディープラニングに関する知識を問う資格です。
そもそもAIって何?機械学習やディープラーニングとかよく聞くけど分かっていない、
という人にとっては勉強になります。
実務上のメリットは感じられないので、勉強のきっかけとしてよいと思います。
- 危険物取扱者(甲種・乙種4類)
→初めて資格試験にチャレンジした資格です。奨励金目当てで取得しました。
乙種4類はガソリンスタンドの営業に必要なため、受験する人が多く参考書や日程が豊富です。
ガソリンスタンドがやたら広かったり、コンクリートの壁がある理由が分かりました。
危険物を扱う工場に勤務している方なら、知識が役立つことがあります。
まとめ
生産技術の業務上、資格取得の重要性は大きくありません。
しかし、知識・スキルの証明や自己啓発など、活用の仕方によっては大きな効果を生み出すことも可能です。
興味はあるが踏み出せない分野がある方は、ぜひこの機会にチャレンジしてみましょう。

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